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 「真面目だね」は褒め言葉? 
投稿者 : 教育環境問題委員会   掲載日: 2015年09月07日

年間テーマ


家族のコミュニケーション・絆


「真面目だね」は褒め言葉?


 ある件で高校生の娘に「真面目だね」と褒めたところ、娘が「自分は真面目じゃない」と機嫌が悪くなりました。私にとって「真面目」は、完全に褒め言葉ですが、娘にとっては、「堅苦しい」等の否定的な意味合いをもつ言葉だったようです。確かに「生真面目」「くそ真面目」という言葉もありますし、最近、「まじめの崩壊」という本が話題になったように「真面目」という言葉はマイナスのイメージをもたれるようになっているのでしょう。


 そのとき「真剣」とか「誠実」といった言葉を使えば、娘は怒らなかったかもしれません。コミュニケーションの難しさを感じた一例ですが、このように自分が選んだ言葉を相手が正しく捉えているか不安になることがあります。(テーマとなっている「コミュニケーション」という言葉自体、人によって捉え方が異なるのではないかと思います。)


 そんなときに思い返す批評家の文章を紹介します。それこそ自分が正しく意味を捉えているか自信はないですが、言葉を使ってコミュニケーションを図ることの難しさと大切さを気付かせてくれる目からウロコの文章です。


 「人は言葉によつて自分を知り、他人を知る。だから、言葉と正しくつきあつてゐないと、自分とすら正しくつきあへない。そして、言葉と正しくつきあふとは、言葉によつてしか自他の現実をつかみえないにもかかわらず、そんなことは言葉には不可能だと思ひ知ることである。つまり、表現や理解についての悲観論の上に立つことだ。」(福田恒存「批評家の手帖」(麗澤大学出版会))


 コミュニケーションに関連付けて勝手に意訳すると、「人は言葉でしか自分や他人とコミュニケーションを図れない。しかし、同じ言葉でも人によって捉え方が異なることがあるから、他人と完全なコミュニケーションを図ることは出来ないし、そもそも自分のことすら理解出来ていないかもしれない。こうした、言葉とそれに基づくコミュニケーションの限界を知ったうえで、それでも人は言葉を選んで自分自身と向き合い、他人とコミュニケーションを図っていかなくてはならない。」ということになりますが、こんなふうに「真面目」に考え過ぎると娘に嫌われてしまうだろうな・・・。


  新庄 聡  

  参考図書:和田秀樹「まじめの崩壊」ちくま新書 筑摩書房 (2009/01)
福田恒存「批評家の手帖」麗澤大学出版会 


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